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IoTデータをワークフローに取り込む「ServiceNow Connected Operations」発表

ServiceNow JapanがIoTデータをServiceNowのワークフローに取り込み、活用する最新のソリューション「ServiceNow Connected Operations」の提供を開始した。IoTデータの取り込みから自動処理、ワークフローの実行、インシデント管理まで一貫した作業が可能で、オペレーションとサービスの改善を実現するとしている。


 ServiceNow Japanは2020年12月17日、IoTデータをServiceNowのワークフローに取り込み、活用する最新のソリューション「ServiceNow Connected Operations」を発表した。同日より提供を開始する。「“期待値は高いが阻害要因も多い”IoT分野の現状を変える」と意気込む。

「ServiceNow Connected Operations」は、IoTデータとデジタルワークフローを結びつけることで、オペレーションとサービスの改善を図るソリューション

 ServiceNow Connected Operationsは、デジタルワークフローとIoTデータを統合するソリューション。ServiceNowが持つワークフロークラウド「カスタマーワークフロー」における3つ目のソリューションと位置付けられている。

 新製品を説明したServiceNow Japan ソリューションセールス統括本部 カスタマーサービスマネジメント事業部 事業部長の李広泰氏はまず、さまざまな機器やセンサーからデータを収集するIoT分野の現状を説明する。

ServiceNow Japan ソリューションセールス統括本部 カスタマーサービスマネジメント事業部 事業部長の李広泰氏

 企業の多くはIoTを差別化要因になりうる重要な技術と位置付けており、潜在的な経済効果も現在の3兆9000億ドルから2025年には11兆1000億ドルに拡大すると見込まれている。ただしその一方で、収集したデータのフォーマットがバラバラで「情報のサイロ化」が生じており、ほかにも収集データを運用するうえでの規制や、ビジネスオペレーションとのひも付けにも課題がある。

 李氏は「IoT市場は大きな市場であり期待値も高いが、改善の余地がある」と述べたうえで、ServiceNow Connected Operationはこの状況を打開すべく投入するソリューションだと説明する。

 Connected Operationsは、IoTデータを直接Now Platformに取り込み、機器の状況をほぼリアルタイムに単一のプラットフォーム上で把握するためのソリューション。特徴としては、“プラットフォームのプラットフォーム”であるNowPlatformによるエンドトゥエンドの処理、データを収集・活用することで可能になるプロアクティブな対応、大量データの扱いの振り分け処理を自動化するスマートルーティングなどがある。

Connected Operationsの概要。IoTデータの収集と可視化だけでなく、ルールエンジンを通じたデータからの障害検知、さらにインシデント発生時のワークフローまでを一元管理する手段を提供する

 具体的には「IoT Bridge」「IoT Rule Engine」「Operations Incident」「Connected Workflows」の4つの機能により構成される。

 まずIoT Bridgeは、機器の稼働状況のような「データの取り込み」部分を担う機能で、MQTT、HTTPといった標準プロトコルを使ってIoT機器の認証と通信ができる。またIoT Rule Engineは、どのような条件でイベントを作成するか、あるいはワークフローをトリガー(実行)するかといった自動化のルールを設定できるルールエンジン。ビジネス担当者でもノーコードでルールを設定することができ、ほぼリアルタイムにルールを実行できるという。

「IoT Bridge」「IoT Rule Engine」の概要

 Operations Incidentは、ルールエンジンを通じて何らかの問題(インシデント)が検出された場合に、対応に当たる担当者/チーム向けのフロント画面などを提供する。ワークフローを活用して問題の調査、優先順位付け、修正などを進め、チーム内で改善プロセスを管理できる。Connected Workflowsは、このIoTワークスペースからServiceNowが提供する「Customer Service Management」の顧客サービスケース、あるいは「Field Service Management」のフィールドサービス作業指示などを作成することで、他チームも含めた全体でのコラボレーションを進めるための機能。インシデントを管理しながら、単一のワークスペースで協調的な作業ができる。たとえば、インシデント対応の一方で、顧客担当チームが影響を受ける可能性がある顧客に通知するといった用途が考えられる。

 発表会のデモでは、新型コロナウイルス感染症のワクチン流通を想定し、ワクチンを保管する冷凍保存庫の温度をIoTセンサーでモニタリングしながら、異常が通知された場合には適切な処理を行うという一連の流れが披露された。

デモ画面より。IoT Bridgeが温度データの収集と処理を行い、IoT Rule Engineのルールによって担当者は自分に必要な情報がわかる。問題が発生した場合はRule Engineがアラートを上げ、担当者が詳細データを見て対応を判断する。デモでは設定温度を満たしていない冷凍保存庫があることがわかったので、発生地近くにいるフィールドサービス担当者を派遣する処理を行った

 企業はデータを収集してはいるが、それをうまく活用できていない。李氏はConnected Operationsのメリットについて、「IoTデータの分析だけでなく、オペレーションに取り込み、次のアクションのために別のシステムを連携させるといったことを単一プラットフォームで提供できる」と説明。さらには「オペレーションをベースに新たなビジネスや改善活動にもつなげられる」と、IoTデータの活用領域を広げることを提案した。

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