スポンサーリンク

オートメーション・エニウェアとシトリックスが製品連携を発表

オートメーション・エニウェア・ジャパンは2020年12月16日、エンタープライズRPAプラットフォーム「Automation Anywhere Enterprise A2019」クラウド版と、シトリックス・システムズ・ジャパンの「Citrix Workspace」のマイクロアプリを連携させることを発表した。Citrixマイクロアプリがサポートしていない国産SaaSやオンプレミス/レガシーアプリの操作を可能にする。


 オートメーション・エニウェア・ジャパンは2020年12月16日、エンタープライズRPAプラットフォーム「Automation Anywhere Enterprise A2019」クラウド版と、シトリックス・システムズ・ジャパンの「Citrix Workspace」のマイクロアプリを連携させると発表した。

 オートメーション・エニウェア・ジャパン カントリーマネージャー 日本営業統括の由井希佳氏は、「当社のインテリジェントオートメーションプラットフォームを活用することで、Citrix Workspaceによって統合されたセキュアな環境において、あらゆるデバイスから、あらゆるアプリケーションにつながる環境を実現できる。エンド・トゥ・エンドのプロセスを自動化し、デジタル変革を加速させることができる」と説明した。

Citrix WorkspaceマイクロアプリとAutomation Anywhereクラウド版の連携アーキテクチャ。Citrix環境向けに開発されたAutomation AnywhereのBotエージェントは、自動ログインやセッション切れの場合の再接続といった機能も備える

オートメーション・エニウェア・ジャパン カントリーマネージャー 日本営業統括の由井希佳氏(左)、シトリックス・システムズ・ジャパン 執行役員 セールスエンジニアリング本部 本部長の永長純氏(右)

国産SaaSやオンプレミスアプリ、レガシーシステムにも対応を拡大

 Citrix Workspaceは、業務システムのインフラを業務システムのインフラを仮想化し、どこからでも/どのようなデバイスからでもセキュアにアクセスできるプラットフォームだ。またCitrix Workspaceが備えるマイクロアプリは、業務システムの特定の操作(タスク)だけに絞り込んだ小さなアプリケーションであり、操作に必要な最小限の入出力(フォーム、通知)インタフェースを提供して業務効率化を図る。すでに100種類以上のSaaSに対応したテンプレートを用意しており、管理者が自由にカスタマイズすることも可能だ。

Citrixワークスペースの概要と、マイクロアプリの適用業務例。多機能な業務システムの特定タスクだけを切り出し、すぐに実行できるシンプルな独自アプリを作成できる

 今回のAutomation Anywhereとの連携によって、マイクロアプリがサポートしていない国内ベンダー製のSaaS、オンプレミスシステム、レガシーアプリケーションも、Citrixマイクロアプリがノーコードで連携できるようになる。さらに社内システムを改変したり、異なるシステムに移行した場合でも、Automation AnywhereとのAPI接続を変更するだけで、自動化した環境を維持できるという。

 これにより、すべての業務プロセスをCitrixマイクロアプリからスタートできるようになり、業務アプリケーションの起動や仮想環境へのログインを毎回行わなずに済むなど、業務プロセスを簡素化できる。また、Citrixマイクロアプリで操作した内容をAutomation AnywhereのBotで動かし、定型業務や繰り返し作業を自動化することもできる。

Citrixマイクロアプリのアーキテクチャ(左、製品ドキュメントより)。業務アプリケーションの特定操作だけに絞り込んだUIをユーザーに提供する。Automation Anywhereとの連携を通じて、連携できる範囲を大幅に拡大した(右、対応アプリケーションの例)

 シトリックス・システムズ・ジャパン 執行役員 セールスエンジニアリング本部 本部長の永長純氏は、「さまざまなSaaSへの対応は行っているが、日本の固有のレガシーアプリケーションなどへのアクセスにおいて、オートメーション・エニウェアと連携していくことで、日本市場での展開を加速できる」と語る。

 「たとえばこれまでオフィスでしか業務できなかった経理部門の社員が、通勤電車でモバイルデバイスを使って処理するといったことも可能になる。DXを実現するためには、ユーザーからの改革アイデアを迅速に、プラットフォームに反映することが必要。オートメーション・エニウェアの機能を活用することで、ローコード開発によってUI統合やデータ連携を実現し、費用対効果を高めることができる」(永長氏)

 レガシーアプリケーションのAPI対応もポイントだ。すでに多くの業務SaaSがAPIを通じて連携できるようになっているが、その一方でAPI対応していないレガシーアプリケーションの扱いが課題となっていた。オートメーション・エニウェアの由井氏は、今回の連携によってレガシーアプリケーションでもAPI対応が可能となり、「ビジネスルールが作れるものは大半がデジタルワーカー(RPA)で自動化できる。部分的な自動化にとどまっていた状況を解決し、エンドトゥエンドで自動化が可能になる」と述べる。

CitrixマイクロアプリとAutomation Anywhere Botの連携で高度な自動化

 Automation Anywhere Enterprise A2019は、2019年10月に発売されたRPAプラットフォームで、毎月機能強化リリースが行われている(最新版はリリース17)。由井氏は、Citrixマイクロアプリとの連携には高い親和性があると説明した。

 これまでも両社ソリューションを連携させる取り組みはあったが、Citrix環境(仮想デスクトップ、仮想アプリケーション)上でAutomation AnywhereのBotを動作させる利用法にとどまっていた。今回の連携ではマイクロアプリとBotを連携させるかたちで、業務プロセスにまで踏み込んだ点が異なるという。

 「一般のOA業務だけに留まらず、業務エリアでの展開が可能になり、アプリケーション変革を加速させることができる。また、マルチデバイス認証やアクセス分析を行うゼロトラストの世界を担保する仕組みを提供できる」(永長氏)

Automation Anywhereは、Citrixマイクロアプリの画面操作ローコード開発環境として連携。現場での内製化を実現する

 オートメーション・エニウェアでは今後、シトリックスと共同で、業務変革ワークショップを開催するほか、製品や販売情報の共有、共同オンラインセミナーなどの開催、共同マーケティングなども行っていくという。

元記事